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「検体収集の壁」を突破する。国内バイオバンク活用の基礎から申請フローまで徹底解説

2026年1月9日 研究環境
 

希少疾患の検体から、健常コントロール、詳細な臨床情報付きの縦断データまで。 国内6つのナショナルセンターが連携する「NCBN(ナショナルセンターバイオバンクネットワーク)」には、今すぐ研究に利用可能なリソースが蓄積されています。
本記事では、国内の研究者の皆様がバイオバンクを最大限に活用できるよう、その基礎知識から主要なネットワーク、具体的な申請手続きまでを分かりやすく解説します。

目次

バイオバンクとは?バイオバンクがもたらす3つのメリット

研究開発のために、生体試料(血液、組織、DNA、脳脊髄液など)と、それに関連する臨床情報やゲノム情報などを収集・保管し、研究者へ配付(分譲)する施設・体制のことです。 研究と医療の未来を支える重要なインフラです。

活用する3つのメリット

希少疾患や大規模コホートの検体・情報を、自施設で一から収集する場合に比べ、時間的・経済的負担を大きく軽減して利用できます。

統一プロトコルで処理・保管され、ISO等の国際規格に準拠した高品質な試料が利用可能です。

詳細な臨床情報が紐付いており、迅速なデータ解析やバイオマーカー探索が可能です。

近年、バイオテクノロジー研究における「再現性の危機」が課題となっています。信頼性の高い研究成果を効率的に生み出すために、質の担保された生体試料(サンプル)の重要性が増しています。
国内のバイオバンクは、こうした課題を解決し、研究の時間的・資金的コストを大幅に削減する可能性を秘めています。

国内のバイオバンクについて

日本国内では6つのナショナルセンターが連携し、世界トップレベルのバイオバンクネットワークを構築しています。

ナショナルセンターバイオバンクネットワーク(NCBN)構築施設

各センターの高度な専門性に基づいた、質の高い疾患サンプルと豊富な臨床データが強みとなります。

NCBNでは基礎研究者の先生方向けのヒト試料利用の意義紹介動画も公開しておりますので、是非一度ご覧ください。

実際に使用するには?データベースや検索方法について

実際にバイオバンクを利用するにはどのようにしたらよいでしょうか?NCBNやAMEDの研究プロジェクトではサンプル検索をするためのプラットフォームを提供しており、それらを活用することで簡単に国内のバイオバンク試料を確認できます。

①NCBNカタログデータベース

【特徴】
・6つのNCが保有するサンプル情報を横断的に検索できる。
・疾患名やキーワードから、各センターの保有サンプル数や患者背景(年齢、性別など)を確認可能。

②バイオバンク横断検索システム

【特徴】
・NCBNを含む、国内の主要なバイオバンク(東北メディカル・メガバンク(ToMMo)など)の情報をまとめて検索できる、さらに大規模なプラットフォーム。

・試料の統計情報も見ることができる

利用申請方法のプロセス例

バイオバンクを利用申請する際の利用手順を国立精神・神経医療研究センター (NCNP)での例に確認してみましょう。

利用申請のプロセス (NCNPの例)

手続きは明確化されています。研究者の「相談」から始まり、NCNP側との「調整・審査」を経て、「契約・提供」に至ります。

  1. 1

    相談・調整 利用者 / NCNP

    研究者が事務局に相談。NCNP側と利用内容(検体種、数、情報)を調整します。

  2. 2

    倫理申請 利用者

    利用者は、所属機関の倫理委員会で研究計画の承認を得ます。

  3. 3

    利用申請 利用者

    倫理承認後、利用申請セット(計画書、承認書写し等)をNCNPに提出します。

  4. 4

    審査 NCNP

    NCNPの利活用推進委員会(医学的妥当性)および倫理委員会(倫理的内容)で審査されます。

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    契約・提供 利用者 / NCNP

    両者承認後、試料・情報提供に関する契約を締結し、試料・情報が提供されます。


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