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ここまでできる!?NGS受託サービス特集

2023年5月25日 お役立ち記事
 

昨今注目の高いNGS関連受託サービス(一部ソフト)のご紹介になります。

NGS(次世代シーケンサー)は数百から数千もの遺伝子を同時にシーケンスすることのできる技術です。
今や基礎研究だけでなく、臨床研究、臨床診断などにも応用されている技術となります。

このページではマルチオミックス解析の最新トレンドサービスを紹介致します。


目次

1.タカラバイオ受託サービス
 1-1.ヒト全ゲノムシーケンス解析/ヒトエクソーム解析
 1-2.16S rRNA解析(細菌叢解析)
 1-3.ショットガンメタゲノム解析
 1-4.空間トランスクリプトーム解析(Spatial Transcriptomics)
 1-5.miRNA-Seq解析
 1-6.DNAメチル化解析(NGS)
2.cBioinformatics受託サービス・ソフト
 2-1.RNA-seq解析
    ーゲノム解析ソフト「ソクラテス」
 2-2.DNA-seq解析
3.お問合せフォーム
4.まとめ


1.タカラバイオ受託サービス

タカラバイオ社では数多くの受託解析サービスを展開中です。
その中でもご依頼が増えている注目のサービスをピックアップしました。

1-1.ヒト全ゲノムシーケンス解析/ヒトエクソーム解析

ホールゲノムシーケンス・エクソームの変異解析になります。ヒトだけでなくマウスでも利用可能です。目的によって使用機種が選択できるは受託サービスの大きなメリットとなります。

1-2.16S rRNA解析(細菌叢解析)

細菌の16SrRNA遺伝子を解析することで検体に含まれる細菌の種類や分布を網羅的に解析する菌叢解析も受託解析をすることができます。
腸内細菌叢の解析では核酸抽出からの対応も可能ですので、サンプルを用意するだけで解析をスタートできます。

1-3.ショットガンメタゲノム解析

1-2の16SrRNA解析では細菌の16rRNA領域のみが解析対象となりました。ショットガンメタゲノム解析では全ゲノム配列を解析対象とし、より精度の高い解析を可能とします。また、解析対象はBacteriaだけでなく、Archaea、Viruses(二本鎖DNAウイルス)、fungi、Microbial eukaryotes(藻類やプロトゾア)も含まれます。

1-4.空間トランスクリプトーム解析(Spatial Transcriptomics)

10x Genomics社のVisium FFPEを用いて、ヒトまたはマウスの組織中の形態学的位置情報とリンクした遺伝子発現データを取得する解析となります。腫瘍微小環境、細胞型、細胞マーカーなどの空間的構成の解析が可能です。FFPEブロックからのスライド作成から依頼することができます。

1-5.miRNA-Seq解析

total RNAや血清・血漿検体など、様々なサンプルから網羅的なmiRNA発現解析を行います。miRNA以外のsmall RNAの発現解析も可能です。

1-6.DNAメチル化解析(NGS)

次世代シーケンサーを使用する事により、網羅的にシトシン塩基単位でメチル化率の算出を可能とした解析です。解析目的に応じてMeDIP-Seq解析やRRBS解析も行うことができます。


2.cBioinformatics受託サービス・ソフト

cBioinformatics株式会社は臨床学的ゲノム解析を行ってきた医師とバイオインフォマティシャンが、新たな社会貢献の形を求めて設立した企業となります。

がん治療では分子標的薬などを用いた、患者一人一人の特性に適った効率的なプレシジョンメディシンが世界的に推奨されており、2019年6月にがんゲノム医療に必要な遺伝子検査パネルが保険適用され、今後、ゲノム解析を活用した効率的な治療方法や診断薬の開発が加速していくものと期待されている中で、cBioinformaticsは統合ゲノム解析についても実績と技術を有し、基礎研究や臨床に即した医学的意義を加えた解釈・解析・解析後の考察まで受託できる国内唯一の企業となります。

その中でもオススメの受託解析、ゲノム解析ソフトをピックアップ致します。

2-1.RNA-seq解析

RNA-seqデータから、カウントデータ取得・発現変動遺伝子推定・Gene enrichment解析・転写因子推定等を行います。
(マイクロアレイの場合は蛍光シグナル値の補正・正規化を行い、アノテーション以降は RNAseq Basic と同様の解析内容になります。)


2-1-1.RNA-seq解析 Basic

・発現変動遺伝子の検出
コントロールサンプルと比べた遺伝子発現量を統計的に検定し、発現上昇遺伝子および発現低下遺伝子の検出を行います 。

・転写因子予測解析
発現変動遺伝子群に共通して見られる転写因子結合モチーフの探索を行い、マスター遺伝子の推定を行います。(ヒト、マウス、ショウジョウバエ)

・エンリッチメント解析(GO,Pathway)
コントロール群に対して比較群にて発現上昇している(もしくは発現低下している)遺伝子を塊でみたときにどのような意味合いがあるのかを統計学的に検定します。

2-1-2.RNA-seq解析 Advanced

・miRNA解析
コントロールサンプルと比べた遺伝子発現量を統計的に検定し、発現上昇遺伝子および発現低下遺伝子の検出を行います。 miRNAも mRNA と同様に発現変動遺伝子を検出。ターゲットとなる RNAを予測、 miRNA により制御されている mRNA の同定を行います。

・Fusion 遺伝子の検出
異なる遺伝子にまたがるjunction read を検出し、融合遺伝子の発現解析を行います 。

■ゲノム解析ソフト「ソクラテス」

RNA-seq Basic plan 用の 「 ソクラテス 」 は解析に出されたサンプルのみを解析することが可能です。
動的な解析が依頼者自ら行うことができます。
【ソクラテスで可能なこと】
・サンプルのフィルタイング
・クラスタリングによる概観の取得
・2群解析、多群解析による発現変動遺伝子の獲得
・Gene enrichment 解析

【ソクラテスのメリット】
●GUI (マウス)でのクリックのみで複雑な解析が可能
●考えることに集中できる
●その場ですぐに解析結果が出る
●「non programer clinical bioinformatician」を素早く多く育成
Bioinformticianがいなくても解析が可能です

2-2.DNA-seq解析

WGS(Whole Genome Sequencing), WES(Whole Exome Sequencing)データから、 SNV (一塩基変異 )Indel (挿入・欠失変異 )/CNV (コピー数変異)を網羅的に検出。公共 DB から変異情報のアノテーションを行い、図示化を行います。

2-2-1.DNA-Seq解析 Basic

・SNV, INDEL 解析
【OncoPrint】
横軸: 各症例、あるいは検体
縦軸: 遺伝子名(変異割合の降順)
遺伝子毎の変異の頻度、種類の可視化を行います。
ある症例に特異的に変異が入る遺伝子や、変異のパターンを抽出することができます。 Driver 遺伝子を Biological Process 毎にグルーピングし、 pathway レベルでの解析も可能です 。

【Tumor Mutation Burden】
サンプルにおける単位領域あたりの変異数。
例えば腫瘍においてTMB が高い場合は、変異修復機構の破綻などが疑われます 。
また、免疫チェックポイント阻害剤感受性のバイオマーカーとして治療方針の決定に利用される場合があります 。

・コピー数解析
【Scatter plot】
横軸: 染色体座標
縦軸: read 数比(試験 vs コントロール
染色体の領域ごとに試験とコントロールのコピー数の比を求めます。
例えば、腫瘍サンプルにおける染色体コピー数異常(Copy Number Aberration) が生じている領域を特定します 。

【Chromosomal Instability Score】
ゲノムの全領域のうち、染色体コピー数異常が観測された領域の割合。値が高いほ
ど染色体異常の程度が強いことを示します。がん化の要因がコピー数を維持・制御
している系に異常があるか評価を行います。

・Tumor Heterogeneity 解析
腫瘍には異なる変異パターンを持つ複数のクローンが存在することがあり(Tumor Heterogeneity, 腫瘍内不均一性 )、がんの治療抵抗性要因の1 つであると考えられています。
Tumor Heterogeneity のスコア化、可視化を通して解析対象の腫瘍不均一性を評価します 。

2-2-2.DNA-Seq解析 Advanced

【Micro Satellite Instability】
ゲノム中の短い繰り返し配列であるマイクロサテライトの繰り返し回数の異常を表す指標であり、免疫チェックポイント阻害剤などの特定の薬剤の感受性に関わると考えられています。
マイクロサテライト不安定性の定量的な評価を行います。


3.詳細のお問合せはこちら

本ページの受託サービスについて詳細のご相談をご希望の場合は下記フォームより承っております。
お気軽にお問合せ下さい。
※回答はリカケンホールディングスグループ(理科研・並木薬品・片岡・セイミ)の担当よりご連絡申し上げます。


4.まとめ

今回はNGS関連受託サービスをまとめさせて頂きました。
進化のスピードが著しい分野ではございますが、これからもサイサチでは情報を発信していきます。

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